ストレス解消に効果的!マインドフルネス瞑想って何?
このストレス社会でストレスフリーな環境は存在しないと言っても過言じゃありません。
私たち現代人は、いかにストレスを溜めないかではなく、いかにストレスと向き合うかを考えなくてはなりません。
つまりストレスは溜まるもの。
溜まったストレスをどうやって解消するか!
これが現代人の心と身体を健やかに保つ秘訣だと思います。
ストレス解消法は人によって様々ですので、何が一番効果的って答えはありませんが、今回は心のエクササイズ「マインドフルネス」についてご紹介したいと思います。
今の自分の身体や気持ちの状態に気づく力を育む「こころのエクササイズ」のことです。
世界的なIT企業が社員研修に導入し、高い成果をあげていることが紹介されたことで、日本でも導入している企業が多数あります。
そのマインドフルネスの理論や実践方法についてご紹介します。
ストレスが溜まると身体的、精神的な機能が低下するのはご存知だと思います。
低下だけならいざ知らず、鬱になったりするケースも少なくありません。
ストレスを避けられない現代人は、ストレスに負けない心を育む必要があります。
『ストレスの現状』
厚生労働省が5年に1回行っている「労働者健康状況調査」によれば、「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は、この30年間に渡り50~60%程度で推移しています。
働く人の約6割はストレスを感じながら仕事をしてるんですね。
労働者にとっても、会社にとってもストレス対策が非常に重要な問題であることは間違いありません。
以前NHKで放送された番組で大きな反響を呼んだ「キラーストレス」。
脳にある扁桃体が不安や恐怖を感じると、副腎から「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりするため心拍数があがり、血圧が高くなります。
これがストレス反応です。
このような反応の積み重ねが様々な病気の発症に繋がっていくんです。
(1)マインドフルネスとは
IT分野で世界をリードしているGoogle(グーグル)。
今じゃ知らない人はいないんじゃないかと言うくらいの大企業です。
Googleは社員が会社の原動力だということを分かっていて、その能力の向上のためにストレスを軽減させるために導入しているのがマインドフルネス(Mindfulness)という手法です。
アップルの創業者、故スティーブ・ジョブスが実際に瞑想を取り入れ、数々の独創的な発想を得ていたのは有名ですが、先にあげたGoogleをはじめ、インテル、フォード自動車、最近ではイギリス国会などでも取り入れられ、自己のストレス管理の王道となり、それに伴い、健康やビジネス上での利点が科学的にも次々と確認されるようになりました。
どうですか皆さん、興味を持っていただけましたか?
(2)マインドフルネスの効果
マインドフルネスを実践することにより、まず、不安や怒りなどの感情が少しずつコントロールできるようになってきます。
理由がないのに心がそわそわしたり、ちょっとしたことでイライラしたり、そんな状況が改善されてきます。続けていくと、自己を肯定し、苦手なことも少しずつ受け入れられるようになり、その結果、創造的な発想につながりビジネス上でも成果をあげられるようになるのです。
ストレスの軽減により。。。
集中力が向上する
熟睡できる
仕事の効率が上がる
創造性のアップ
心身の健康が回復する
気分が改善する
悩みが減る
脳が良く働く
ダイエット効果
但し、このような効果がすぐにあらわれるわけではありません。
人によっては、数回の練習で感じられる方もいますが、なかなか効果を感じられない人もいます。
焦らず、じっくりと取り組んでみましょう。
(3)マインドフルネス瞑想を実践してみよう
マインドフルネスとは「今、自分に起こっていることを、判断や批判なくそのまましっかり認識すること」=心の整った健全な状態を作り出すことであり、この心の状態に自然になるようにするための訓練法として、最も効果的なのがマインドフルネス瞑想です。
皆さんもこのコラムを読んだ後に早速実践してみましょう。
きっと、頭がすっきりして、ストレスが低減されたような感覚を味わうことができるはずです。
【初心者向けの方法】
○場所:
オフィスの自分の席でも自分の部屋でもOKです。または、通勤電車の中でも行うことができます。
○時間と頻度の目安:
Googleで成果をあげているプログラムSIY(Search InsideYourself)を創り出し、世界で注目されているチャディ・メン・タンは、「ひと呼吸でも、数分であっても、あなたができる時間であればそれがベストな時間」と言っています。
はじめは、がんばりすぎず無理のない範囲で行い、気に入ったら時間を延ばしてください。
頻度についても同じで、気が付いたら気分転換のつもりで短時間でやってみましょう。
瞑想のやり方
ここでは、NHKの番組でも紹介された早稲田大学の熊野宏昭教授による『マインドフルネス入門』の方法をご紹介します。
10分~15分でやるのがベストですが、最初は無理をせず数分くらいでトライしてみましょう。
①背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる
脚を組んでも、正座でも、椅子に座っても良いので「背筋が伸びてその他の体の力は抜けている」楽な姿勢を見つけて下さい。
②呼吸をあるがままに感じる
呼吸をコントロールしないで、身体がしたいようにさせます。
そして呼吸に伴ってお腹や胸がふくらんだり縮んだりする感覚に注意を向け、その感覚の変化を気づきが追いかけていくようにします。
例えば、お腹や胸に感じる感覚が変化する様子を、心の中で、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」などと実況すると感じやすくなります。
③わいてくる雑念や感情にとらわれない
瞑想に入ると「仕事のメール忘れてた」とか「あの書類を作らないと」など雑念が浮かんできます。
そうしたら「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、考えを切り上げ、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。
「あいつには負けたくない」など考えてしまっている場合には、感情が動き始めています。
「怒り、怒り」などと心の中でつぶやき、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。
④身体全体で呼吸するようにする
次に、注意する部分(フォーカス)を広げて、 「今の瞬間」の現実を幅広く捉えるようにしていきます。
最初は、身体全体で呼吸をするように、吸った息が手足の先まで流れ込んでいくように、吐く息が身体の隅々から流れ出ていくように感じながら「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続けていきます。
⑤身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
さらに、自分の周りの空間の隅々に気を配り、そこで気づくことのできる現実の全てを見守るようにしていきます。
自分を取り巻く部屋の空気の動き、温度、広さなどを感じ、さらに外側の空間にも(部屋の外の音などに対しても)気を配っていきます。
それと同時に「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況は続けますが、そちらに向ける注意は弱くなり何か雑念が出てきたことに気づいても、辺りに漂わせておくようにして(「戻ります」とはせずに)、消えていくのを見届けます。
⑥瞑想を終了する
まぶたの裏に注意を向け、そっと目を開けていきます。伸びをしたり、身体をさすったりして、普段の自分に戻ります。
この瞑想を繰り返すことにより、ストレスを低減させ心が整った状態を作り出すことが可能と言われています。
ただし、強いストレスを受けている場合や抑うつ状態にある場合は、まず医師への相談が必要です。
自身の状態を十分に確認してから実践することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。
話題のストレス低減手法マインドフルネスでした。
効果には個人差がありますし、人によって向き不向きもあるかもしれません。
ただ、慌ただしい毎日の生活の中に、このような瞑想の時間を設けて心を整えることで、自分の中に何か小さな変化が起こるかもしれないという期待が生じるだけでも効果ありと言えるのではないかと思います。
皆さんも、お昼休みや就寝前のちょっとした時間にぜひお試しくださいね。